そのみちのコラム(片山健也:ニセコ町長)

第1回:「水」を守るのは、誰なのか?
掲載号:2014年(平成26年)4月30日号〔第1952号〕
内容:
・ニセコ町の海外旅行者はこの10年で23倍
・豊富で良質な水源を守るための「水道水源保護条例」と「地下水保全条例」可決に至るまで
・土地所有者による「土地使用自由の原則」を「公共の福祉」を背景に自治体が突破
・現場を持つ基礎自治体が、住民の安心と豊かさを享受する地域社会の将来像を制度設計することが、分権社会の歩みをより確かなものにするのではないか

 

第2回:他人の芝生は「緑」に見える?
掲載号:2014年(平成26年)5月30日号〔第1954号〕
内容:
・会社員時代は、公務員の仕事は時間軸がゆったりで怠慢に見えていた
・ニセコ町役場に転職したら、仕事漬けの激務に直面した
・揶揄されることもあったが、仕事が目に見える成果として住民の暮らしに反映される驚きと、感動と誇り
・首長となって、どのように民主主義を具現化していくか―住民との情報共有とスピード
・住民自治とリーダーシップ

 

第3回:有島武郎と相互扶助
掲載号:2014年(平成26年)6月30日号〔第1956号〕
内容:
・昭和21年に「農地解放」がおこり、土地所有の格差関係が終焉した
・「農地解放」の24年前には、ニセコで有島武郎が既に実行していた
・搾取する立場であることを悩んでいた有島は、小作人が共同で所有するようにと、農地の無償解放を宣言した
・「相互扶助」という人間愛をのこした有島
・お金に換えられない価値を次世代にのこすために

 

第4回:田舎暮らし
掲載号:2014年(平成26年)7月30日号〔第1958号〕
内容:
・中央公論の特集「消滅可能性都市869全リストの衝撃」で地方の消滅危機に警鐘
・ニセコ町は子育て世代の移住者が多いためリストに入っていないが、雇用の場の創設や住環境の整備は喫緊の課題
・1980年時点で地方の人口減少による国力衰退を政府は承知していたが、対抗手段としての「地方分権」改革はいまだ道半ば
・5月、57市区町村長が「ソーシャルデザイン推進会議」を立ち上げ、イノベーションを目指す
・田舎に住む期間が長くなるにつれ、いつしかお互いを認め合う「ゆとり」が生まれてくる。地域を愛する住民がいる限り、そこは消滅しない。

 

第5回:「文書管理」と職員の意識改革
掲載号:2014年(平成26年)8月30日号〔第1960号〕
内容:
・縦割り行政と市民とのかかわりを避けたがる公務員の体質、「何もしないことが美徳」の役所組織の実態は今も昔も変わらないように思える
・環境パスポート予算が16年前に首長によって提案されたが、町議会では「環境で飯は食えない」と否決した。
・その後、職員意識と組織改革のためファイリングシステム(FS)を導入することにしたが、否定的な意見が増えていった。
・FS導入の第一号、埼玉県浦和市を訪問、研修を受けて議会の承認を受けることができた。
・FSの即時検索性により、住民への説明責任を果たすことができ、無駄な人件費と無駄な事務処理時間の排除が可能になった。
・当時の町議会の否決は、結果的により大きな組織改革のきっかけとなった。何があっても、改革の歩みは止めてはならない。

 

第6回:わたしたちのまちの憲法
掲載号:2014年(平成26年)9月30日号〔第1962号〕
内容:
・地方政府としての憲法:自治基本条例を、20年前につくったニセコ町
・培ってきた「地方政府としての機能」と「住民の自治機構としての機能」の持続発展を目指した。
・住民と職員が2年半かけてつくりあげた姿に胸を熱くしたことも。
・首長の暴走を阻止し、首長や自治体が持つ権力を縛る自治基本条例。それをつくる過程が住民自治であり、まちづくりである。

 

第7回:ふるさと納税
掲載号:2014年(平成26年)10月30日号〔第1964号〕
内容:
・地域の活性化や自治体のPRにつながると、ふるさと納税への注目が集まってきている。
・希望の自治体へ寄付ができるため、受ける自治体も額に応じた贈り物をするようになり、魅力化合戦へ
・ふるさと納税の問題-減収となる寄付者の住んでいる自治体
・元総務大臣の片山善博慶応大学教授による警鐘―持つべき危機感とは
・自治の質を下げずに、厳しい財政を乗り越える方法は?

 

第8回:行政の不作為
掲載号:2014年(平成26年)11月30日号〔第1966号〕
内容:
・「行政が何もしない」ということは批判されにくく、評価されることすらある。
・有益な情報を内部処理し、批判を逃れる場合があることは職員も同じ。
・表面化しない限り自分の仕事も増えず、批判されるリスクもない
・主権者たる住民が、自ら考え行動する住民自治に立脚した民主主義を具現化するためには『行政の不作為の見える化』が不可欠

 

第9回:雪崩事故
掲載号:2014年(平成26年)12月30日号〔第1968号〕
内容:
・秀峰「ニセコアンヌプリ」では、毎年のようにスキーヤーが立ち入り禁止のスキー場外に入り込み、雪崩に巻き込まれる事故が起きてきた
・事故防止のためスキー場経営者がスキーパトロール隊を組織したが、スキーヤーとのいたちごっこ
・雪崩事故をなくしたい、との思いから「ニセコ雪崩ミーティング」を毎年開催。雪崩調査所も誕生
・世界中から注目されるようになったニセコの功労者は住民の献身的で地道な活動だった

 

第10回:忌避政策
掲載号:2015年(平成27年)1月30日号〔第1970号〕
内容:
・近傍の住民から歓迎されない施設などを造ることを「忌避政策」という
・2002年中に一般廃棄物最終処分場を建設・稼動するに際し、ニセコ町はどう行動したか?
・環境影響評価の作業に着手後、激しい反対運動が。
・勤務中の情報は全て(電話メモまで)公開。話し合いを重ね、合意を得るまで。
・建設地域に補助金も出さない理由

 

第11回:白紙段階からの住民参加
掲載号:2015年(平成27年)2月28日号〔第1972号〕
内容:
・21年前、当時のニセコ町長の指示で始まった「白紙段階からの住民参加」という初の試み
・テーマは「観光インフォメーションとトイレ機能をもった施設の整備」
・管理職会議では猛反対。到底意見の集約は図られないと思っていたが、現在は人気の観光スポットに成長
・住民参加の実践でわかったこと。

 

第12回:地方分権と地域の豊かさ
掲載号:2015年(平成27年)3月30日号〔第1974号〕
内容:
・中央の画一的な関与の仕組みにより特色を失った自治体
・重要なのは、地方自治体が財源と権限をもち住民監視の中で仕事を行うこと
・高齢化率が高くても元気な地域:下川町と上勝町の例
・地方創生には地方分権こそ最重要