そのみちのコラム(奥村哲史:名古屋市立大学教授=経営学、NPO法人日本交渉協会理事)

第1回:話し合う技術
掲載号:2015年(平成27年)4月30日号〔第1976号〕
内容:
・言葉は、風土の中で生まれる
・「話し合い」を意味する和語はひとつだけ。プラス「議論」「討論」「談論」などの漢語でやってきた
・ディスカッション、ディベート、アーギュメントなどカタカナ語が出てきた背景に日本社会の変化がある
・暗黙の約束や規範で摩擦や対立が抑えられてきた日本でも、紛争が増加
・紛争になる前に話し合えるならそのほうがいい。ただ、よい話し合いをするには、優れた技術と能力が必要。
・日本にも、交渉や合意形成、紛争解決の方法を教える教育機関が出てきた

 

第2回:「役に立つ」と向き合う
掲載号:2015年(平成27年)5月30日号〔第1978号〕
内容:
・日本では「交渉」は詐術などのイメージが先行。しかし先進国では大学・大学院にも「交渉学」科目がある。
・「優れた理論ほど実用的なものはない」との名言もある。実践性、実用性、応用性にもしかるべき重きを。
・米国での交渉研究と教育は、理論と実践の融合が比較的好循環
・現交渉・合意形成・紛争解決に向き合う研究と教育があることを知ってほしい

 

第3回:良い交渉、優れた合意
掲載号:2015年(平成27年)6月30日号〔第1980号〕
内容:
・優れた合意内容とは何か。
・「取るか、取られるか」だけの交渉もある。しかしそれだけではないこと、活用しうる機会や可能性が眠ることを明らかにしてきた交渉学
・表面的な駆け引きで妥協した条件より、双方共により良い内実を得る可能性がある
・「大きさの決まったパイの迷信」を超えるために必要な「認知のバイアス」への気づき
・認知バイアス体感教材で「目からうろこ」?

 

第4回:認知バイアス
掲載号:2015年(平成27年)8月30日号〔第1984号〕
内容:
・2002年のノーベル経済学賞受賞者は“心理学者”ダニエル・カーネマン、認知心理学・プロスペクト理論で・その恩恵は、交渉学にも
・取引型交渉の典型的な問い:条件提示は自分から切り出すべきか、相手の出方を見るべきかに対する実験が示す事実
・相手が出した条件に左右される“アンカリング”とは?
・交渉の実用レベルで利用されていく心理作用や心理効果…1905年の米国ポーツマスで進められた日露戦争の講和交渉を例に

 

第5回:合意しないときの選択肢
掲載号:2015年(平成27年)8月30日号〔第1984号〕
内容:
・どの交渉にも共通する基本的な要素は「誰が」、「何について」、「どのように」話し合うか、そして「この交渉が決裂するとどうなるか」
・交渉学でいうBATNA(Best Alternative To Negotiated Agreement)は、意訳すると「交渉が決裂したらどうなるか、いろいろ起こりうるなら、そのなかで最良の選択肢」。
・これより劣る内容なら合意する必要はない、という基準を持って合意内容を設計
・相手から拒否をされた時にとりうる選択肢を用意しておくことで、交渉において優位な姿勢をとりうる…そのための準備をする
・TPPなど国際条約はもちろん、安保法案、原発再稼働、国立競技場建設など意思決定プロセスで、賛否いずれの側からも、結果がもたらす長期・短期、質量両面のコストとベネフィットの情報がない

 

第6回:紛争と解決のあいだ
掲載号:2015年(平成27年)8月30日号〔第1984号〕
内容:
・交渉学の重要な領域の1つ、「紛争解決」
・「紛争」の定義は、一方の要求を相手が拒否している状況。武力衝突に限らない。
・問題解決のための手続・手段に共通する3つのアプローチを整理したゴールドバーグ、ウィリアム・ユーリ、ジーン・ブレット
…「利益型アプローチ」「権利型アプローチ」「権力型アプローチ」→IRPモデルとは?
・紛争解決交渉で追求すべき4つの判断規準
…「取引コスト」「結果に対する満足度」「今後の関係への影響」「結果の持続可能性」
・より良き結果を求めるということ

 

第7回:耳を傾けるプロセス
掲載号:2015年(平成27年)10月30日号〔第1988号〕
内容:
・日本のプロバスケットボール界のトラブルを打開した川淵三郎氏
・双方が主張と要求を譲らぬまま共倒れになる交渉の打開には、第三者の交渉力が必要
・クリエイティブな解決、そしてプロセスが公正だったと感じられるような行動とは?
・スティーブン・ゴールドバーグ名誉教授の提唱する“ラポール(共感力)”…「わかってくれている」感覚の有無が、フェアに扱われたかどうかの意識を左右する。

 

第8回:「広報」という交渉
掲載号:2015年(平成27年)11月30日号〔第1990号〕
内容:
・広報=pubulic relations、つまり、企業や行政機関が、外部の公共社会と健全な関係を形成する活動
・真価が問われるのはリスク管理が必要な時だが、単なる自己防衛に走りやすい。
・福島原発事故や施工不良マンション問題の対応は、20年前にマサチューセッツ工科大学ローレンス・サスカインド教授らが指摘した「隠せ、ごまかせ、無視しろ、時間を稼げ、的をずらせ、もっともらしい代役を立てろ。」そのもの
・パブリックから隠れていたいと目を塞いでも、新たな事実が次々表面化する
・他国の誠実なマネジメントの実行例は、コスト認識から始まっている

第9回:環境交渉
掲載号:2015年(平成27年)12月30日号〔第1992号〕
第10回:提携の成否を分ける交渉
掲載号:2016年(平成28年)1月30日号〔第1994号〕
第11回:学生たちの交渉論
掲載号:2016年(平成28年)2月28日号〔第1996号〕
第12回:アクションによるシグナル
掲載号:2016年(平成28年)3月30日号〔第1998号〕