国土開発・公共事業と市民の権利(山根裕子:帝京大学法学部教授/高橋大祐:弁護士)

第1回 鞆の浦埋立て・架橋計画差止判決①=提訴まで=
掲載号:2013年(平成25年)9月15日号〔第1937号〕
内容:
○はじめに—国土開発・公共事業と市民の権利のありよう—
・国土開発や公共事業に支えられてきた戦後日本だが、強引な開発が環境や地域社会の崩壊を招いた場面も多かった
・周辺住民は、道路等の大規模建設でも突然計画を知らされ、「説明会」で抗議しても後の祭り
・行政事件等の手続での原告適格の範囲は狭く、広範な地域の環境や景観の破壊が予想されても、事業地域内の地権者にしか原告適格が認められないことが多い
・住民には訴訟を提起するのに十分な情報、知見、金銭や時間的余裕も、合意形成のための議論の習慣も乏しく、住民間の利害対立のなかで解決方法を編み出そうにも時間切れで、泣き寝入りになることが多い
・そんななか、法は、市民の権利をどこまで認め、開発や公共事業を規律してきたのか?
・司法の判断は、開発や公共事業の計画に対する市民の参画や合意形成にどのような影響を与えたのか?
・開発や公共事業に関する主だった裁判例をひもときつつ探究する

Ⅰ 事案の概要
・画期的であったといわれるこの広島地裁判決は、公共工事の設計における市民の参画という点で、何を示しているのか。また、どのような課題を残したのか?

第2回 鞆の浦埋立て・架橋計画差止判決②=原告適格の認定=
掲載号:2013年(平成25年)10月15日号〔第1939号〕
内容:
Ⅱ 本判決の判示内容
 ⑴ 原告適格について
 ⑵ 従来の判例動向
 ⑶ 本判決での原告適格の認定
  ① 保護範囲要件
  ② 個別的保護要件
  ③  原告適格を有する者の範囲の画定

第3回 鞆の浦埋立て・架橋計画差止判決③=差止訴訟の要件と裁量権の逸脱=
掲載号:2013年(平成25年)11月15日号〔第1941号〕
内容:
Ⅱ 本判決の判示内容(続)
 2. 差止訴訟の要件
  ⑴ 従来の判例動向
  ⑵ 本判決における差止要件の認定
 3. 裁量権の逸脱
  ⑴ 判例の動向
  ⑵ 本判決における行政裁量権の逸脱の認定
   ① 道路整備効果
   ② 駐車場の整備
   ③ 小型船だまりの整備
   ④ フェリー埠頭の新設
   ⑤ 防災整備効果
   ⑥ 下水道整備

第4回 鞆の浦埋立て・架橋計画差止判決④=本判決の位置付け=
掲載号:2013年(平成25年)12月15日号〔第1943号〕
内容:
Ⅲ 本判決の位置付け
 1. 判例との関連性
  ⑴ 景観利益の法的保護性に関する課題
  ⑵ 個別保護要件に関する課題
  ⑶ 原告適格を有する者の範囲に関する課題
  ⑷ サテライト大阪事件最高裁判決の衝撃
  ⑸ 裁量統制基準に関する問題
 2. 公共事業と市民

第5回 「公共事業」とは何か①
掲載号:2014年(平成26年)4月15日号〔第1951号〕
内容:
Ⅰ 「公共事業」の法的位置付け
Ⅱ 政府経済統計上の「公共事業」の概念
 ⑴ 行政投資
 ⑵ 公的固定資本形成
 ⑶ 公共事業関係費
 ⑷ 公共投資
Ⅲ 公共事業の種類と共通項
 ⑴ 国と地方公共団体の役割分担による分類
  ① 直轄事業
  ② 補助事業
  ③ 交付金事業
  ④ 単独事業
 ⑵ 官と民の役割分担による分類
  ① 第三セクター方式
  ② PFI方式
 ⑶ 事業の種目による分類

第6回 「公共事業」とは何か②
掲載号:2014年(平成26年)6月15日号〔第1955号〕
内容:
Ⅳ 公共事業の決定プロセス
 ⑴ 決定プロセスの透明性
 ⑵ 公共事業の評価
Ⅴ 国土開発を伴う公共事業の許認可プロセス
 ⑴ 開発利用規制の概要
 ⑵ 土地開発利用に関する法と公共事業
  ① 都市計画法に基づく決定プロセス
  ② 農業振興法・農地法に基づく決定プロセス
  ③ 森林法に基づく決定プロセス
  ④ 自然公園法に基づく決定プロセス
  ⑤ 自然保全地域に基づく決定プロセス
  ⑥ 土地収用法