時の法令の歴史

○官報の姉妹版として創刊された「時の法令」

創刊は昭和25年(1950年)11月3日。日本国憲法公布4周年記念の日に発刊されました。

発行元は印刷庁(現国立印刷局)。
伊地知辰夫印刷庁長官が、「発刊のことば」で、官報や法令全書を発行してきた立場から、官報の姉妹版として時の法令を発刊し、一層の法令の周知徹底を図る決意を巻頭に述べています。

○政治家や法曹界など各界重鎮から創刊号に祝辞が寄せられました。
戦後の新しい法制度の構築に向け、「国民に法律を広く知らしめるべき」との思いは一致しているようです。
寄稿を抜粋してみましょう(全文は画像参照)。

 

・幣原喜重郎(衆議院議長)
「なにとぞ、この出版物が官報の姉妹版として発展し法令の周知普及に役立つと共に、日本の民主化に重要な役割を果たすよう、心から念願する」

 

・佐藤尚武(参議院議長)
「まことに革新的な時宜を得た試みとして、心から賛意を表する」

・吉田茂(内閣総理大臣)
「法令を一人でも多くの国民に理解せしめて、理想的民主国家の建設に資するよう希望して発刊の祝辞とする」

・大橋武夫(法務総裁)
「法令の周知徹底が大切であることはいうまでもない。政府部門で法のことを専門につかさどる者として、私は特にこのことを痛感し、深い関心を持つのである。その意味で…(刊行を)双手を挙げて賛成したい」

・塚崎直義(最高裁判所長官代理(最高裁判所判事))
「新しい理念に立つ法治主義を確立するため、われわれは、(数多くの法令や裁判例を正しく理解するという)この困難に打ち勝つ努力を続けてゆかなければならないことは、いうまでもありません。この意味において、新しく生れた『時の法令解説』に、極めて多くのことを期待するのは、私一人ではないと思います」

・池田勇人(大蔵大臣)
「法令は『生きる法』として国民生活の上に運営されるであろうし、惹いては法令改廃の機縁ともなって民主日本の推進に寄与するところが少なくないと思われる」

・岡野清豪(国務大臣 地方自治庁長官)
「私の担当している地方自治体関係者から、法令についてもっと早く、もっと平易に、その趣旨を徹底することが出来ないだろうかという要望を聞く…(刊行が)まことに時宜を得たものであると信じ、全幅の賛意を表する」

・岡崎勝男(内閣官房長官)
「法令の周知普及ということは、政府の諸政策を円滑に遂行するための前提條件でありますので、適宜適切なる編集によって、国民各層に広く、且つ廉価に頒布され、所期の目的を十分に発揮されることを、希望致すのであります」

・有馬忠三郎(日本弁護士連合会会長)
「専門家によって、各種主要法令の解説を施し一般国民の法律知識の涵養と法令の普及化に資せられるとのことを聞き欣快に堪へ(ない)」

・一万田尚登(日本銀行総裁)
「我々が官報に親しんできた以上に親しみ易い解説が出る事は甚だ有意義」

・金森徳次郎(国会図書館長)
「法文だけでは見てもわからんから、仏作って魂を入れる親切心でこれを出すのだろう。まことに結構至極である」

・宮沢俊義(東京大学教授)
「私は国民が、主権者たる責任を自覚して、ひろく老若男女を問わず、この『時の法令解説』を読むことをのぞむ。それと同時に、編集者に対しては、できるだけ『お役所調』をのぞくように編集することを要望したい」

・佐藤達夫(法制意見長官)
「法令が空気のごとく私たちをとりまいている今日の社会では、自己の功利的立場からいっても、それは世渡りの必要條件となっている。最近どんな内容のどんな法令が出たのか、ねころんだままでその要領を知り得るような気楽な、しかも信頼できる新法令の手引きがあったら…この要望にこたえるものであ(る)」

 

(創刊時と違い、発行元は国立印刷局(旧印刷庁)から、㈱朝陽会に移りました。)