食と農ー保護と自由の間(鈴木宣弘:東京大学教授=農業経済学)

タイトル:第1回:再びブロック化する世界経済
掲載号:2017年(平成29年)4月30日号〔第2024号〕
内容:
・農産物貿易自由化をめぐるせめぎ合いの歴史
・なぜ自由貿易が求められるのか
・WTOとFTAの軋轢
・GATT二四条の矛盾
・経済学の真理はどこに
・農産物貿易の自由化はなぜ揉めるか

第2回:忘れてはならない「輸出補助金戦争」
掲載号:2017年(平成29年)5月30日号〔第2026号〕
内容:
・関税と並んで、忘れてはならない輸出補助金
・「隠れた」輸出補助金の実態
・なぜ米国の穀物などへの補助金は輸出補助金にならないのか――経済学と法律論の齟齬

第3回:驚くべき「隠れた」輸出補助金の実態
掲載号:2017年(平成29年)6月30日号〔第2028号〕
内容:
・コストの高いアメリカのコメ生産の半分以上が輸出できるのはなぜか
・米国の「不足払い」が輸出補助金にならない不思議―経済学と法律解釈の齟齬
・米国以外の「隠れた」輸出補助金温存の実態
⑴ カナダの用途別乳価制度はクロ判定
⑵ カナダと類似していても米国の乳価制度はシロ
⑶ データ提出を拒否して抵抗する豪州
⑷ EUの砂糖への直接支払い
今後に向けて

第4回:国内保護削減をめぐる虚構と攻防
掲載号:2017年(平成29年)7月30日号〔第2030号〕
内容:
・保護削減を拒否する米国
・国内補助と輸出補助の分類への疑問
・黄の政策と緑の政策の分類への疑問――デカップリングの幻想
・農業保護削減の世界一の「優等生」は日本?
・AMS過少申告問題
・日本だけが過剰に対応した成果は?

第5回:日欧EPAの評価検証
掲載号:2017年(平成29年)8月30日号〔第2032号〕
内容:
・電撃的な大枠合意の狙い
・「経済規模が大きく自由化度が高い」との評価は一面的
・EU産チーズの輸入枠はないに等しい―― 実質は無制限の関税撤廃
・EUが実質無関税と評価する豚肉
・見落としてはならない製品関税の撤廃の影響
・輸出は簡単に伸ばせない
・食と農の国家戦略はあるのか

第6回:漁業権の開放論の危うさ
掲載号:2017年(平成29年)9月30日号〔第2034号〕
内容:
・違和感
・資源がもたない
・地域がもたない
・国土がもたない
・資源と地域と国土を守る

第7回:種子法廃止と安全保障
掲載号:2017年(平成29年)10月30日号〔第2036号〕
内容:
・唐突に決まった種子法廃止
・民間活力の最大限の活用による農業生産資材価格の引下げ
・国家安全保障上のリスク
・附帯決議の実効性

第8回:農協への独禁法適用除外の是非
掲載号:2017年(平成29年)11月30日号〔第2038号〕
内容:
・農協への独禁法違反摘発の二つの特徴・
⑴ 競争政策の政治利用
⑵ 適用除外のなし崩し化
・公取の指針は適用除外を明確に規定
・欧米では共販のルールに独禁法は適用されない
・生乳生産者組織強化を図るEUと弱体化を進める日本
・「不当な価格引き上げ」か否か、が問題
・「不当な価格引き上げ」でないことの立証

第9回:TPP11「大筋合意」の評価
掲載号:2017年(平成29年)12月30日号〔第2040号〕
内容:
・TPP11は「大筋合意」したのか
・TPP11も日米FTAも「両にらみ」
・企業利益と裏腹の収奪と失業
・TPP12以上に増幅される日本の食と農の打撃

第10回:農業競争力強化支援法を見る一視点
掲載号:2018年(平成30年)1月30日号〔第2042号〕
内容:
・農業競争力「強化」につながるか
・「中抜き」の奨励
・コストダウンだけが競争力強化なのか
・一方的な政策決定プロセスの改善

第11回:改正畜安法で酪農はどうなる?
掲載号:2018年(平成30年)2月28日号〔第2044号〕
内容:
・畜安法改正の背景と位置づけ
・生乳流通の特質
・異例ずくめの政策決定プロセス
・実効性のない言葉
① 国が生乳需給調整に責任を持つ?
② 用途別販売計画で監視する?
③ いいとこ取りの部分委託は認めない?
・酪農所得低迷の原因
① 固定的補給金の限界
② 小売からの川上部門へのしわ寄せ
③ 需給調整機能の負担
・欧米の酪農政策との極端な格差
・反面教師の英国
・今後の課題

第12回:収入保険はセーフティネットたり得るか?――改定農業災害補償法を考える
掲載号:2018年(平成30年)3月30日号〔第2046号〕
内容:
・収入保険は「岩盤」ではない
・農家の切実な声で実現した「岩盤」の経緯を忘れてはならない――政策は現場の声が創る
・戸別所得補償よりも強固だった前自公政権の提案した岩盤対策
・農業災害補償を弱体化してはならない
・日本の農政は世界に逆行していないか

第13回:日本農業過保護論の再検証
掲載号:2018年(平成30年)4月30日号〔第2048号〕
内容:
・刷り込まれている日本農業過保護論
・農業所得に占める補助金の割合
・農業生産額に対する農業予算の比率
・日本は価格支持にも依存していない
⑴ 関税=国境における価格支持
⑵ 国内の価格支持政策

第14回:ついに米国もISDS条項を実質否定―孤立する日本―
掲載号:2018年(平成30年)5月30日号〔第2050号〕
内容:
・世界から取り残された? 日本
・ISDSに関する日本の国会決議
・米国世論は「国家主権の侵害」として反対
・米国グローバル企業に有利だったが…
・NAFTA再交渉で米国は実質的にISDSを否定
・TPP11にISDSを残す意味はあるのか

第15回:遺伝子組み換え表示厳格化を読み解く
掲載号:2018年(平成30年)6月30日号〔第2052号〕
内容:
・米国からの要請
・消費者庁はnon-GM表示だけ極端に「厳格化」
・「遺伝子組み換えでない」という表示が消えるのではないか
・米国でも「GM表示法」という名の「非表示法」

第16回:農産物輸出促進をめぐる議論の再検証
掲載号:2018年(平成30年)7月30日号〔第2054号〕
内容:
・日本の人口減っても、輸出で農業はバラ色?
・グローバルGAP推進の意味を再検証
・各国が検疫で日本農産物を止めている

第17回:漁業・林業改革は「財産権」の侵害?
掲載号:2018年(平成30年)8月30日号〔第2056号〕
内容:
・漁業・林業分野で進む規制改革
・漁業権の優先順位の廃止は憲法二九条違反?
・免許の乱立で資源管理は混乱・崩壊する
・個別割当の非効率性
・森林経営管理法は憲法二九条に抵触しないか?
・国有林も実質的にタダで払い下げ?
・「企業参入」重視による懸念

第18回:福岡高裁の諫早判決に思う司法の使命
掲載号:2018年(平成30年)9月30日号〔第2058号〕
内容:
・司法は誰のためにあるのか~諫早判決の不条理
・諫早湾干拓問題の経緯
・更新前と後の共同漁業権は「別物」?
・漁業権は社員的権利?
・漁業法改定を見越した不適切な法解釈
・諫早湾干拓事業の費用対効果は「〇・八三」
・国民に寄り添う司法を

第19回:最近の農水関連法に共通する意図――畜安法・森林経営管理法・種子法・漁業法をめぐって
掲載号:2018年(平成30年)10月30日号〔第2060号〕
内容:
・省令で歯止めはかけられるか
・林業も類似の事態になっている
・附帯決議は歯止めになるか
・透けて見える共通の「意図」

第20回:日米物品貿易協定(TAG)交渉は、FTA交渉である
掲載号:2018年(平成30年)11月30日号〔第2062号〕
内容:
・新しい貿易協定の対象は「モノとサービス」
・WTOルール下では、FTAを締結しなければ関税を撤廃できない
・ペンス副大統領演説の音源と文字起こしに齟齬
・新協定はTPP以上の譲歩が前提
・自動車のために食料・農業を永続的に差し出すことに
・「なし崩し」にされる食と農

第21回:NAFTA米加合意——カナダは自国の乳製品を守った
掲載号:2018年(平成30年)12月30日号〔第2064号〕
内容:
・カナダは酪農で大きく譲歩したのか
・乳製品の輸入シェアを数%以内に抑えるのがカナダの国是
・強固な乳価支持制度を完全に守ったカナダ
・ISDS条項は米加間では三年で廃止