介護保険が有り難くてたまらない

介護保険法は平成9年(1997年)12月17日に法律第123号として公布され、平成12年(2000年)4月1日に施行されました。

 

時の法令には、平成10年(1998年)4月30日号に、介護保険法施行法と共に、24ページの大分量で解説を載せています(「介護保険制度の創設~介護保険法・介護保険施行法」朝川知昭・(前)厚生省老人保健福祉局介護保険制度施行準備室・(現)広島市社会局社会企画課(所属は当時))。

 

 

平成6年(1994年)3月に「21世紀福祉ビジョン」(高齢社会福祉ビジョン懇談会報告)で「だれもが必要な介護サービスを受けることができる新たな仕組みの構築」が提言されて以来、同年12月の高齢者介護・自立支援システム研究会報告、平成7年(1995年)7月の社会保障制度審議会勧告、老人保健福祉審議会などの検討を経て、幅広い関係者の意見集約の上で平成8年11月29日に法案は国会へ。約1年に及ぶ国会審議を経て、平成9年12月9日に成立しました。

 

 

当時、介護保険法が「介護の社会化」という重要な発想を制度化したものである、という認識はあったものの、はっきり言って、どこまでピンときていたか我ながら疑わしいものです。ましてや自分がこの制度にどれほど救われるかなどとは…。昨年秋に父が老人福祉施設に、今年初夏から母が有料老人ホームに入居する事態となり、「もしこの制度がなかったら…おそらく家族は疲弊しきり、到底立ちゆかなくなっただろう」と、空恐ろしい気持ちになります。

 

この解説では、制度の目的が以下のように解説されています。

 

○老人福祉と老人医療の制度を再編成し、従来、措置という形で、市町村自らあるいは社会福祉法人等に委託して提供されてきた福祉サービスについて、利用者と事業者との間の契約によりサービスを利用することとするなど、同じ介護サービスについては、福祉も医療も同様に利用手続と利用者負担で、利用者の自由な選択により、総合的に利用できる利用者本位の仕組みとする。

 

○高齢者が要介護状態となっても、住み慣れた地域や環境の中で親しい家族や隣人とともにそれまでの生活を継続することを望んでいることを踏まえ、介護を社会全体で支える仕組みを創設することにより、特に在宅の介護サービスの充実を図り、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことを実現していこうとするものである。

 

○従来租税を財源としてきた福祉サービスも含め、介護サービスについて社会保険制度を採用することにより、給付(サービスの質や量)と負担(保険料等)の関係について国民の理解を得ながら、今後増大が見込まれる介護費用について、支えていこうとするものである。

 

理想どおりにいかない様々な事例があることは、あちこちから聞こえてきます。しかし2007年から既に突入した「超高齢社会」にとって必要不可欠な制度であることは疑いようもなく、あらゆる年代で守っていかなければならない制度だと痛感する今日この頃です。

 

最後に、時の法令に掲載された関連法令解説を追ってみましょう。

 

介護保険法及び老人福祉法の一部を改正する法律(平成20年法律第42号):2009(平成21)年2月15日号〔第1827号〕
タイトル:介護サービス事業者の不正の再発防止と事業運営の適正化を図る=業務管理体制整備の義務付け、事業者の本部への立入検査権の創設、不正事業者による処分逃れ対策等=(厚生労働省老健局振興課 日野 力)

 

介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(平成23年法律第72号):2012年(平成24年)4月30日号〔第1904号〕

タイトル:地域包括ケアシステムの構築(前厚生労働省老健局総務課 松本直樹)

 

社会保障制度改革推進法(平成24年法律第64号):2013年(平成25年)2月15日号〔第1923号〕

タイトル:患者の状態に応じた医療と介護を地域で安心して受けられる基盤の整備(厚生労働省医政局総務課 平岡敬博)

 

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号):2014年(平成26年)11月30日号〔第1966号〕

タイトル:社会保障制度改革推進法の制定――社会保障と税の一体改革関連法=社会保障制度改革の基本方針を定め、これを進めるための社会保障制度改革国民会議を設置=(衆議院法制局第五部第二課 山本芙未)

 

(C.S)